Column
2024.02.03
「全館空調」は、家中すべての部屋を24時間・365日快適に保つことのできる空調システムです。
いよいよ、夢のマイホームづくり。家の空調設備を考えるうえで「全館空調」を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
事前にその活用方法について把握しておけば、住みはじめてすぐに、全館空調のよいところを活かした快適な暮らしができるようになります。
本記事では、全館空調のエキスパートである私たちの視点から「新築住宅における全館空調のスマートな活用法」をご紹介します。
活用方法を考える前に、まずは「どのような人が全館空調に向いているのか」を把握しておきましょう。
・高齢者の方や、基礎疾患をお持ちの方
室内の急激な温度変化が原因で起こる症状で、特に危険なものがヒートショックです。
温度が急激に変わることで血圧が上下し、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞などの発作が起こってしまう可能性があります。
そのため、身体に大きな負担がかかってしまうと、特に65歳以上の高齢者の方や、基礎疾患をお持ちの方は特に症状が出やすくなってしまう可能性があります。
各部屋の温度を一定に保つことのできる全館空調の家であれば、一般的な家に比べヒートショック発症の危険性が低いので、高齢者の方や、基礎疾患をお持ちの方が家族の中にいても安心です。
・デザインやインテリアを重視したい方
「全館空調」というと、いかにも大掛かりな空調設備が構えていそうな感じがしますが、その実はとてもスマートです。
たとえば、三菱電機の「エアリゾート」であれば、メインの設備は機械室に設置されるため、室内で見えるのは吹き出し口と温度のコントローラだけ。
このように、全館空調システムは内装のデザインやインテリアを邪魔せず、室内風景にしっくり溶け込むものが多くなっています。デザインやインテリアを重視する方には、家づくりをする上で大きなメリットといえるでしょう。
・アレルギーをお持ちの方や、呼吸器系の疾患をお持ちの方
全館空調システムは、基本的に「第1種換気」という換気の仕組みを取り入れてます。
通常、室内の換気を行うときは窓を開けて外気をそのまま取り入れ、その空気が排気口から出ていくことがほとんどです。
しかし、この場合取り入れた外気にはホコリや有害物質、湿気などが混じったままになってしまい、部屋の空気はあまりよいものではありません。
全館空調システムが採用している「第1種換気」であれば、換気をすべて機械が行い、その過程で空気の浄化と熱・湿度の交換が行われます。その結果、温度や湿度が一定に保たれた、清潔で新鮮な空気が室内を満たすのです。
そのため、アレルギーをお持ちの方や呼吸器系の疾患をお持ちの方がご家族にいらっしゃる場合でも、安心して暮らすことができるでしょう。
●大前提!気密性と断熱性の高い家にする
全館空調システムを採用するうえで要となるのが、気密性と断熱性。冷暖房された空気の温度と質を、魔法びんのように一定に保つことができるのが全館空調と相性のよい家です。
気密性と断熱性が低い家だと、せっかく温めたり冷やしたりした空気が逃げてしまい、再度その温度に戻すために家全体の空気に対して膨大なエネルギーが使われることになってしまいます。その結果、光熱費が高額になってしまう……というトラブルも。
こういった事態を防ぐためにも、全館空調システムを導入すると決めた際は、高気密・広断熱の家づくりをすることが重要です。そうすることで、全館空調のよいところを存分に活用できる家になります。
全館空調の導入を前提とした家づくりをする際には、気密性・断熱性の高い家になるよう、建築家にしっかりと相談しましょう。
●夏は冷やしすぎず、冬は温めすぎないように
全館空調システムは、長時間の連続運転が基本です。そのため、建物内で熱移動がつねに行われている状態であり、部屋全体の温度変化がゆるやかになります。
エアコンのように部屋を急激に冷やしたり温めたりすると大量のエネルギー消費があり、電気代が多くかかってしまいますが、全館空調は自然でゆるやかな温度変化が行われるため、急激な温度調節は必要ありません。
メーカーによって多少の差はありますが、一般的に全館空調の適切な設定温度は、冷房が26〜28℃、暖房が20〜22℃といわれています。
この温度の範囲内で運転することを意識すれば、上手に省エネ運転をすることができます。
●運転はこまめに停止しないこと
全館空調が得意とするのは「温度を一定に保つこと」です。言い換えれば、急激な温度変化が苦手であり、そのためにはたくさんのエネルギーを消費しなければなりません。
そのため、全館空調の家でこまめに運転をON/OFFしてしまうと、そのたびに全館空調はたくさんのエネルギーを必要としてしまい、電気料金が急増してしまいます。
そのため、少しのあいだ家を空けたりするようなときは運転を止めないようにしましょう。
●春や秋は運転を止めてもOK!ただし……
全館空調の運転を停止したい場合、例外となるのが春や秋のように気候がよく、冷暖房が必要ない時期です。この時期は、省エネのために運転をOFFにしても問題ありません。
ただし、気をつけなければならないのは「換気をOFFにしないこと」です。
換気をOFFにしてしまうと、ダクトの中にカビが発生してしまうことがあるからです。
ダクトは、全館空調システムにおいて各部屋に新鮮な空気を届けるための、血管のような役割を果たす重要な部品です。ここにホコリが溜まったり、ホコリが結露の影響でカビに変わったりすると、運転を再開したときに汚れた空気が家じゅうに循環してしまいます。
換気をOFFにしないようにさえ注意すれば、春や秋は運転を停止しても問題ありません。
※ただし、寒冷地や温暖地など、地域によっては通年の稼働をおすすめする場合もあります。適切な運転方法については、必ず担当メーカーや建築士にお問い合わせください。
●太陽を味方につけて、快適な温度調節!
住宅において、窓や戸、出入り口など外気に開放された部分のことを「開口部」といいます。
この開口部から流れ込んでくる日差しが、全館空調の温度調節に強い影響を与えるのです。
夏は、開口部によしず(ヨシの茎で編んだすだれ)やすだれを設置することで簡単に熱を遮断できます。
また、地面に芝生を植えることで芝生が日光を吸収し、開口部へと流れ込む日差しを和らげる効果もあります。
対して冬は、開口部から日差しをめいっぱい取り入れることで、室内の温度上昇が促進されるでしょう。
太陽をうまく味方につけることで、全館空調の温度調節をうまく活かすことができます。
●植物を味方につけて、かんたんに湿度調節!
全館空調システムは、比較的室内が乾燥しやすい仕組みになっています。
かといって、加湿機能がついている製品を選ぼうとすると、想定外にコストがかかってしまうことも。
しかし、高気密・高断熱の家であれば、室内に植物を置くだけで湿度調節が可能なのです。
植物の葉には、水分を出す「蒸散」というはたらきがあります。根から吸い上げた水分を水蒸気として葉の気孔から放出し、湿度を調節するはたらきです。
そのため、湿度が低く乾燥しやすい季節には、特に水盤に花を生けることで加湿効果が高まります。
対して、湿度が高い季節には室内に植物を持ち込まないか、あるいは水を頻繁に遣る必要のないサボテンなどの植物を置いたり、口の狭い花瓶を利用するとよいでしょう。
まとめ:新築住宅における全館空調のスマートな活用法
・大前提として、気密性と断熱性の高い家づくりをする
・夏は26〜28℃、冬は20〜22℃の範囲内で一定に温度を保つ
・運転はこまめに停止しない
・春や秋は運転を止めてもOK、ただし換気は絶対に停止しないこと
・開口部から取り入れる日差しの量を調節して、快適な温度調節をする
・室内に植物を置くだけで、かんたんに湿度調節ができる
●全熱交換器採用!効率よく省エネ運転できる!
●全館空調でありながら、各階・各部屋ごとの温度調節が可能!
●必要のない部屋の運転を制御できるので、ランニングコストが安い!
など……他にも「エアリゾート」ならではのポイントがたくさん!
詳しくはこちらから
まとめ
今回の記事では、新築住宅における全館空調のスマートな活用法についてご紹介いたしました。
当社では、全館空調システムの導入をお考えのお客様へ、お困りごとの解決や理想の暮らしの実現に向け、最適なご提案をさせていただきます。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、当社までご相談いただけますと幸いです。
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