Column
2023.10.27
「全館空調」は、家中すべての温度を24時間・365日快適に保つことのできる空調システムです。
本記事では、全館空調のエキスパートである私たちの視点から、全館空調のメリット・デメリットの両方をご紹介します。皆さまのご検討の一助となれましたら幸いです。
「冬になると、トイレだけがなんだか寒くて体が冷えてしまう……」「夏になると寝室に熱がこもり、快適な睡眠ができない……」このように、部屋によって温度が異なることで、さまざまなストレスが発生してしまうというケースがよくあります。
全館空調の最大の特徴は、その名のとおり「全館の空調を管理できること」です。全館空調を取り入れた家では、1台の室内ユニットで発生させた冷温風が各部屋へ送風・循環されることで、家中ムラなく冷暖房をすることができるのです。
家中のどこにいても温度が一定に保たれるため、ヒートショックや寒暖差疲労等のリスクを軽減できることも考えられます。寒暖差の激しい昨今において、全館空調は健康管理にも一役買うことうけあいです。
全館空調では冷温風の送風と同時に、熱交換換気が行われます。24時間換気で室内の汚れた空気を外に排出し、新鮮な外気が供給されるので、室内は新鮮な空気で満たされ、リフレッシュすることができます。
また、外気に含まれる花粉やホコリはしっかりとカットされるため、アレルギー等の健康被害やカビ・ダニ、結露の発生しにくい環境をつくることができます。
家全体を温度ムラなく冷暖房できる全館空調では、体感的に快適な室温が保たれるため、部屋の冷やしすぎ、温めすぎを防ぐことができます。また、熱交換換気によって、排気に含まれる熱を吸気に移すという「熱だけの交換」が行われることとなります。
以上から、高い省エネ効果が期待できます。
また、全館空調では室内にエアコンが設置されず、部屋の中で目に入るものは吹出し口と温度コントローラのみ。そのため、部屋のデザインを損なわず、視覚的な圧迫感を伴わない自由なインテリアを実現させることができます。
全館空調の家は高断熱・高気密住宅であり、熱をしっかりと遮断して、24時間換気によって新鮮な空気を室内にしっかりと巡らせることができます。そのため、湿度による不快感は軽減されるでしょう。ただ、それゆえに、冬場の乾燥が気になることがあるかもしれません。その場合、乾燥が気になる部屋には加湿器が必要となります。
ただ、結露が発生してしまう可能性があるため、加湿器の使い過ぎには注意です。加湿器の代わりに季節の植物を置くだけでも、簡単に湿度調節をすることができます。
全館空調システムの導入には、多くの機器や設備の設置を伴い、家ごとにカスタマイズする必要性があるため、コストがかかります。
また、全館空調は本体ひとつが故障してしまうと、部屋全体の温度調節ができなくなってしまうシステムです。そのため、年1回の訪問点検等、エンジニアによる定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
以上のことから、導入費・維持費がかかることを踏まえて導入検討をしなければなりません。
ただし、記録的猛暑が続き、夏と冬の寒暖差が激しい昨今では、エアコンによる消費電力が増加傾向にあります。そのため、場合によっては、全館空調システムの導入で全体のコストが抑えられることも考えられます。
現在の光熱費を見直し、投資対効果を検討されたうえでの導入をおすすめいたします。
先ほどご紹介したように、全館空調は家全体を温度ムラなく冷暖房できるシステムです。
ただ、逆にいうと「家のどの部屋にいても室温が同じ」でいられるように設計されているため、急激な温度変更に対応することが難しくなっています。
そのため、ご家族の中で温度の感じ方にばらつきが大きかったり、年齢差の幅広い家族構成のご家庭である場合、家族それぞれの温度の感じ方がちがうという問題が出てくるかもしれません。
ただし、最近の全館空調システムの中には、部屋ごとの風量や温度の調節をすることができる機種もあります。健康面やコスト面など、さまざまな観点から比較したうえで、家族みんなの理想のくらしを実現できるようなシステムを選ぶことが大切です。
今回の記事では、全館空調のメリットとデメリットについてご紹介いたしました。
当社では、全館空調システムの導入をお考えのお客様へ、お困りごとの解決や理想の暮らしの実現に向け、最適なご提案をさせていただきます。
もちろん、本記事でご紹介したもの以外にも、お客様に合わせた全館空調のメリット・デメリットの両方をしっかりとお話させていただきますので、ご安心ください。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、当社までご相談いただけますと幸いです。
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